社会福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問2 (医学概論 問2)
問題文
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問題
社会福祉士試験 第37回(令和6年度) 問2(医学概論 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
- 服用法を複雑にする。
- 定期的に処方内容を見直す。
- 若年者と同じ投与量にする。
- 投与薬剤の数はなるべく8剤以下にする。
- 新規症状が出現した場合に薬剤を追加する。
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この過去問の解説 (3件)
01
薬害有害事象とは、医薬品を使用する事によって起きた全ての好ましくない事象の事を指します。
✕ 服用法を複雑にすると、誤薬に繋がる可能性が高まり、薬害有害事象の発生リスクが高まります。
〇 定期的に処方内容を見直す事で、不必要な薬剤を減らす事に繋げられます。高齢者では、処方されている薬剤が6剤以上になると薬害有害事象の発生リスクが高まるとされており、定期的に処方内容を見直す事は、そのリスクを軽減する事に繋げられると言えます。
✕ 高齢者の方は、加齢に伴い肝臓や腎臓などの機能が低下し、体外への排出が困難になります。また、体内の水分の割合が減少する事で、薬剤が体に溜まりやすくなっています。それらの理由から、高齢者は若年者と比較して薬剤の効果が出すぎてしまいやすく、副作用の出現リスクが高まるため、一概に若年者と同じ投与量とする事は適切ではありません。
✕ 薬剤が6剤以上になると副作用を起こす人が増えるというデータがあり、それは薬害有害事象の発生に繋がると言えます。そのため、投与薬剤の数は、なるべく6剤以下にする事が望ましいと言われています。
✕ 新規症状が出現した場合でも、生活習慣を変化させる事で改善する可能性もあります。薬剤の追加を行う事により、副作用が出現する事も考えられるため、適切な対応とは言えません。
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02
高齢者の薬害有害事象の関連を理解するには、高齢者の特性についても理解しておく必要があります。
誤り
複雑化や服用管理能力の低下などから、適切に服用できず薬害有害事象に繋がる可能性があります。
正しい
カンファレンスやお薬手帳などを使用し定期的に処方内容を見直すことは、薬害有害事象の発生予防や発生時の対処方法として適切です。
誤り
高齢者は、諸臓器の機能低下により薬物の吸収や代謝が低下しているため、若年者と同じ投与量にすることは適切ではありません。
誤り
投与薬剤が6剤以上になると、薬害有害事象が起こりやすくなるという報告があります。投与薬剤の数はなるべく6剤以下にすることが望ましいです。
誤り
新規症状が出現した場合は薬剤性を疑うことが必要です。そのため、薬剤を追加することは適切ではありません。
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03
高齢者は、認識力の低下により服薬コンプライアンスが遵守できなかったり、
胃腸や、肝臓腎臓などの機能低下によって薬剤の効果が不安定になったり、
効きすぎたりすることがあります。
薬害有害事象の発生予防や発生時の対処方法を知ることは重要です。
尚、必要以上の薬が処方されていたり、
薬の重複や飲み合わせが悪かったりすることで、
かえって健康を害するリスクがある状態をポリファーマシーと言います。
×:誤りです。
高齢者は、認知機能の低下、視力の衰え、手指の巧緻性の低下などにより、
服薬管理が困難になる傾向があります。
服用法を複雑にすると、飲み忘れ、飲み間違い、過量服薬などのリスクが著しく高まります。
一包化にするなど、よりシンプルにすることが求められます。
○:正しいです。
厚生労働省はポリファーマシー対策として、
かかりつけ医や薬局による一元的な服薬管理と定期的な見直しを推進しています。
×:誤りです。
冒頭の解説の通り、胃腸や、肝臓腎臓などの機能低下によって
薬剤の効果が不安定になったり、効きすぎたりすることがあります。
高齢者の薬物療法の原則は
「少量から開始し、効果や副作用を慎重に観察しながら、ゆっくりと増量する」
ことです。
×:誤りです。
一見、正解のようにも見えますが、
8剤以下という数字に根拠はありません。
厚生労働省の調査などでは、6種類以上の薬剤が処方されると
服薬コンプライアンスが守られにくくなるとされています。
※参考 高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編) 厚生労働省
×:誤りです。
新規症状が見られた場合は、薬剤による副作用が考えられます。
対症療法としてさらに薬剤を追加することは慎重に判断しなければなりません。
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