社会福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問29 (社会保障 問2)

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問題

社会福祉士試験 第37回(令和6年度) 問29(社会保障 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

日本の社会保障の歴史に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 第二次世界大戦後間もなく、児童福祉法、身体障害者福祉法、老人福祉法が制定され、福祉三法の体制が確立した。
  • 厚生年金保険法の改正により、1961年(昭和36年)に国民皆保険が実現した。
  • ひとり親世帯を対象とする手当の支給のために、1971年(昭和46年)に児童手当法が制定された。
  • 老人医療費の無料化が1982年(昭和57年)の老人保健法の制定により行われた。
  • 2000年度(平成12年度)から、新しい社会保険制度として、介護保険法が施行された。

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この過去問の解説 (3件)

01

社会保障については、第二次世界大戦の後に法律が多く制定されています。しかし、それ以前にも救貧の側面から存在している法律もあるため、あわせて覚えておくと良いでしょう。

選択肢1. 第二次世界大戦後間もなく、児童福祉法、身体障害者福祉法、老人福祉法が制定され、福祉三法の体制が確立した。

✕ 第二次世界大戦後に制定された福祉三法は「児童福祉法」「身体障害者福祉法」「生活保護法」の3つです。老人福祉法が制定されたのは、昭和38年です。

選択肢2. 厚生年金保険法の改正により、1961年(昭和36年)に国民皆保険が実現した。

✕ 1961年に国民皆保険が実現しましたが、そのきっかけとなったのは「国民健康保険法」の制定です。

選択肢3. ひとり親世帯を対象とする手当の支給のために、1971年(昭和46年)に児童手当法が制定された。

✕ 児童手当法の制定当初に支給対象となったのは、3人以上の子どもを育てている家庭であり、支給期間は義務教育修了までとされていましたが、ひとり親世帯に限定されていたわけではありません。

選択肢4. 老人医療費の無料化が1982年(昭和57年)の老人保健法の制定により行われた。

✕ 老人保健法が制定される前の10年間は、老人医療費は無料となっていましたが、老人保健法制定に伴いそれが廃止され、高齢者にも一定の自己負担が設けられる事になりました。

選択肢5. 2000年度(平成12年度)から、新しい社会保険制度として、介護保険法が施行された。

〇 選択肢の通りです。介護保険法は3年ごとに改正が行われ、内容は時代に合わせて変えられていますが、現在も有効な法律です。

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02

日本の社会保障制度の変遷について十分理解しておく必要があります。
いつ、どのような法制度が制定されたか確認しておきましょう。

選択肢1. 第二次世界大戦後間もなく、児童福祉法、身体障害者福祉法、老人福祉法が制定され、福祉三法の体制が確立した。

誤り
第二次世界大戦後間もなく制定された、旧生活保護法(1946年)、児童福祉法(1947年)、身体障害者福祉法(1949年)を合わせて福祉三法と呼びます。
老人福祉法は1963年に制定されました。

選択肢2. 厚生年金保険法の改正により、1961年(昭和36年)に国民皆保険が実現した。

誤り
1958年、新しい国民健康保険法が制定されたことで、1961年に国民皆保険が実現しました。

選択肢3. ひとり親世帯を対象とする手当の支給のために、1971年(昭和46年)に児童手当法が制定された。

誤り
ひとり親世帯を対象とする手当の支給のために制定されたのは、児童扶養手当法(1961年)です。

選択肢4. 老人医療費の無料化が1982年(昭和57年)の老人保健法の制定により行われた。

誤り
1973年の老人医療費支給制度において、70歳以上の老人医療費の無料化がなされました。
ただしその後、1982年に老人保健法が制定され老人医療費無料化は終了されました。

選択肢5. 2000年度(平成12年度)から、新しい社会保険制度として、介護保険法が施行された。

正しい
2000年度から介護保険法が施行されました。

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03

日本の社会保障は、戦後の混乱期における困窮者救済から始まり、

経済成長とともに整備されました。

時系列で正確に理解しておくことが重要です。

選択肢1. 第二次世界大戦後間もなく、児童福祉法、身体障害者福祉法、老人福祉法が制定され、福祉三法の体制が確立した。

×:誤りです。

 

福祉三法」は、

・児童福祉法(1947年)

・身体障害者福祉法(1949年)

・(旧)生活保護法(1946年、現行法は1950年)

の3つを指します。

選択肢2. 厚生年金保険法の改正により、1961年(昭和36年)に国民皆保険が実現した。

×:誤りです。

 

国民皆保険」は、選択肢の記述の通り1961年に達成されましたが、

これは国民健康保険法(1958年制定)によるものです。

厚生年金保険法の改正」によって「国民皆保険」が実現したわけではないため、

誤りとなります。

 

厚生年金保険法の改正によって実現されたのは「国民皆年金」です。

皆保険と皆年金は同時の1961年に達成されて、

ここで国民皆保険皆年金が始まったと覚えておきましょう。

 

 

選択肢3. ひとり親世帯を対象とする手当の支給のために、1971年(昭和46年)に児童手当法が制定された。

×:誤りです。

児童手当法が制定されたのは

1971年(昭和46年)であり、年号は正しいです。


ですが、児童手当法は当初、

第3子以降の児童のみを対象とし、所得制限もありました。
したがって、選択肢の

「ひとり親世帯を対象とする手当の支給のために」という記述とは

目的が異なり、矛盾しています。

 

一方で、「ひとり親世帯」を主な対象とする手当は、
1961年(昭和36年)に制定された

児童扶養手当法」に基づく児童扶養手当です。

 

なお、ひとり親であることを理由に

児童手当が必然で除外されるわけではなく、
当時の要件(第3子以降・所得等)を満たす場合には、

児童手当の併給対象となり得ました。

 

そのため、例えば父親が死亡し、

母子で3人の児童を養育する世帯は、
児童扶養手当の対象であると同時に、

児童手当の受給可否は
要件により個別に判定されていました。

選択肢4. 老人医療費の無料化が1982年(昭和57年)の老人保健法の制定により行われた。

×:誤りです。

 

老人医療費の無料化(70歳以上、所得制限あり)が実施されたのは、

1973年(昭和48年)「福祉元年」とよばれるときであり、

老人福祉法等の改正によるものです。

 

記述にある老人保健法が制定されたのは1982年(昭和57年)ですが、

これは医療費無料化などにより急増した老人医療費の財源問題を背景に、

高齢者自身にも一部負担金(定額)を導入し、

医療費を各保険者で共同負担する仕組み(老人保健制度)を創設したものです。

老人保健法は、無料化からの脱却になります。

選択肢5. 2000年度(平成12年度)から、新しい社会保険制度として、介護保険法が施行された。

○:正しいです。

 

介護保険法、1997年(平成9年)に制定され

2000年(平成12年)4月から施行されました。

 

従来の行政による「措置」としての福祉や、

老人保健とは異なり、

国民(40歳以上)が保険料を納め、要介護認定を受けてサービスを利用する

社会保険として創設されました。

これにより、経費のほぼすべてを公費に依存していた社会福祉から、

国民の保険料も財源に加わることで公費負担を軽減しつつ、

安定的にサービスを提供する社会保険方式へと移行しました。

 

※日本における社会保障は

「①公的扶助 ②社会保険 ③社会福祉 ④公衆衛生」とされ、

従来は高齢者介護は社会福祉(措置)の枠組みで提供されていたものが、

介護保険制度の創設により、

その一部が社会保険へ移行したと理解してください。

 

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