社会福祉士 過去問
第38回(令和7年度)
問113 (ソーシャルワークの基盤と専門職(専門) 問5)
問題文
〔事例〕
Aは、活動に積極的に参加していたBさんが、最近作業への意欲が低下している様に感じた。Aは送迎時にBさんの母親にそのことを伝えた。すると母親から、先週Bさんが、父親のお気に入りの時計を誤って壊してしまったが、そのことを父親に伝えることができないでいる。父親もBさんが時計を壊したことに気づいてはいるが、Bさんを責めたくないので触れないでいるという話を聞いた。
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問題
社会福祉士試験 第38回(令和7年度) 問113(ソーシャルワークの基盤と専門職(専門) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
〔事例〕
Aは、活動に積極的に参加していたBさんが、最近作業への意欲が低下している様に感じた。Aは送迎時にBさんの母親にそのことを伝えた。すると母親から、先週Bさんが、父親のお気に入りの時計を誤って壊してしまったが、そのことを父親に伝えることができないでいる。父親もBさんが時計を壊したことに気づいてはいるが、Bさんを責めたくないので触れないでいるという話を聞いた。
- Bさんに、元気がないようなので少し作業の量を減らすことはどうかと話す。
- Bさんに、母親から時計の話を聞いたことを伝えたうえで、父親に言えない気持ちや、父親の気持ちなどについて一緒に考えないかと話す。
- 母親に、時計の件でBさんと父親が気持ちを話し合う機会を作るように話す。
- 母親に、Bさんが同じ過ちをしないような対策をBさんと考えることはどうかと話す。
- 母親に、施設では間違ったことをしたときは謝ることが大切だよ、と言っていることから、父親に時計を壊したことを叱るのはどうかと話す。
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この過去問の解説 (1件)
01
最も適切なのは、「Bさんに、母親から時計の話を聞いたことを伝えたうえで、父親に言えない気持ちや、父親の気持ちなどについて一緒に考えないかと話す。」です。
家族システムでは、家族の一人だけに問題があると考えるのではなく、家族それぞれの気持ちや行動が影響し合っていると捉えます。
この事例では、Bさんは父親に時計を壊したことを言えず、父親もBさんを責めたくないため何も言わずにいます。お互いを思いやっているものの、話をしない状態が続き、Bさんの作業意欲にも影響している可能性があります。
そこで、Bさんが自分と父親の気持ちを考え、話し合いに向かえるよう支援することが、家族関係の好循環につながります。
適切ではありません。
作業量を減らすことで、Bさんの負担が一時的に軽くなる可能性はあります。
しかし、Bさんの意欲低下の背景には、父親の時計を壊したことを伝えられず、気にかけていることがあると考えられます。
作業量だけを調整しても、Bさんと父親の間にある問題は解決しません。家族システムの好循環を意図した支援とはいえません。
適切です。
Bさんは、時計を壊したことを父親に伝えられずにいます。一方、父親もそのことに気づいていますが、Bさんを責めたくないため話題にしていません。
A生活支援員がBさんの気持ちを聞き、父親がどのような気持ちで何も言わずにいるのかを一緒に考えることで、Bさんは父親の立場を理解しやすくなります。
また、自分の気持ちを整理できれば、父親に事情を伝えたり、謝ったりするための一歩を踏み出せる可能性があります。
Bさんと父親の間に会話が生まれ、互いの気持ちを理解できるようになることが、家族システムの好循環につながります。
適切ではありません。
Bさんと父親が話し合うこと自体は、家族関係を良くするために役立つ可能性があります。
しかし、A生活支援員がBさんの気持ちを直接確認しないまま、母親に話し合いの場を作るよう求めると、Bさんが心の準備をできていない状態で話し合いを迫られるおそれがあります。
まずはBさん本人の気持ちを聞き、父親との関係をどのようにしたいのかを一緒に考えることが大切です。
適切ではありません。
時計を壊さないための対策を考えることは、同じ出来事を防ぐためには役立つかもしれません。
しかし、この事例で問題となっているのは、時計を壊したことそのものだけではありません。Bさんと父親が、お互いを気にかけながらも気持ちを伝えられずにいることが重要です。
再発防止だけに注目すると、Bさんの不安や父親の思いが置き去りになります。家族のコミュニケーションを良くする支援にはつながりにくい対応です。
適切ではありません。
Bさんを叱ることによって、時計を壊したことを反省させようとする対応です。
しかし、父親はBさんを責めたくないと考えています。A生活支援員が叱るよう勧めることは、父親の気持ちを尊重していません。
また、Bさんが叱られることを恐れて、さらに父親に話しにくくなる可能性もあります。
家族の関係を良くするのではなく、緊張や不安を強めるおそれがあります。
家族システムでは、一人の問題をその人だけの問題として考えるのではなく、家族の関係やコミュニケーションの中で捉えます。
この事例では、Bさんも父親も相手を気にかけていますが、お互いに気持ちを伝えられず、会話が止まっています。
A生活支援員には、Bさんが自分の気持ちと父親の気持ちを整理し、父親との話し合いに向かえるよう支えることが求められます。
誰かを責めたり、母親を通して無理に話し合いを設定したりするのではなく、本人の気持ちを尊重しながら、家族の中に新しい会話が生まれるよう支援することが大切です。
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